(1) デルモデルとその特徴
■特徴は4つです。1つはユーザー直販という点にあります。ユーザーからインターネットを介してオーダーを受ける段階で、ユーザーとバーチャルに会話を交わしながら注文内容を確認していき、注文通りの製品をつくる、完全な受注生産です。オーダーを受けたものだけを供給業者に発注し、国内でキッティングして納めるという仕組みです。
■受注生産ですから、在庫レスです。供給業者の垂直統合化です。オーダーを受けて部品を供給し製品をつくりますから、短納期で部品が入ってこないといけません。その目的を達成するために情報の共有化をしています。具体的にはフォキャストとしてデルで6ケ月の月次計画、直近の10数週間の計画をつくり、毎週・毎日見直しをし� �供給業者に投げておきます。
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■そのフォキャストの精度を少しずつ高めていき、精度が充分高まった段階で各供給業者がパーツを取り揃える結果になります。フォキャストに合わせて、ある程度の在庫が残っているからこそ納期の短縮化ができるわけです。基本的に、デルでは製品の企画、オーダーの受付、供給業者の組織化をコアビジネスにしています。それ以外の仕事はしません。例えばキッティングやユーザーに対する納品はデルでは一切やりません。完全にアウトソーシングです。そこに競争優位性があるからです。一言でいいますと、非常に身軽な事業経営、利益のあがる事業をしています。
(2) デルの競争優位性、身軽な事業経営
■そのポイントを整理すると4点あります。
■1つは需要起点との直結です。インターネットを介してデルとユーザーが直結しています。デルはユーザーのニーズや動向をきちんと把握しており自らを中心にデマンドチェーンが築けるカタチをとっています。
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■2つ目は時間優位性による部品コストの低減です。コンピューターは様々なパーツで構成されていますが、1週間に1%下がり1週間経つと5000円のものが4950円になる、そこに時間優位性が働く要因があります。ほかのコンピューターメーカーは13週間前にオーダーをかけています。つまり、今日届けるパーツは13週間前にオーダーをかけて準備する。一方、デルの場合は1週間前にオーダーをすればモノが入ってきますから、そこに12週間のギャップがある。従って、部品の原価に12%の差が生じます。それだけデルのコンピューターは安くつくれることになります。
■3つ目は資源配分の重点化です。無駄な部署に人を割かず、マーケティングや購買の手配などに人 を置きます。それを徹底しています。
■4つ目に、在庫負担ゼロというのは事業経営としては身軽です。在庫管理は手間がかかります。また、在庫ロス、欠品のロスが出ますし、在庫管理を誤りますとかなりのロスが出ます。そこで、在庫にまつわるロスを一切持たない恩恵は大きいのです。具体的には、キャッシュフローの面、在庫管理の業務コストが不要になるという恩恵があります。こうした身軽な事業経営がデルの競争優位性を支えているのです。
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(3) アパレルにおける製造小売型事業の台頭
■次に、アパレルにおける製造小売型事業の例をあげます。近年、非常に良い会社とそうではない会社の差が鮮明になってきており、同じ会社の中でも成功しているブランドと成功していないブランドの差が鮮明になってきています。
■成功している会社やブランドの共通項は製造小売型事業です。これは製造業が小売事業に進出し、自分で店を構えて自社企画商品を自ら売っていくことです。
■QRを具現化したアパレルA社の例ですが、本社にブランドマネージャーと店頭を管理するディストリビューターがいます。店舗のなかの在庫管理、陳列の仕方はA社の本部から指示します。店舗にはPOSがあって売れ筋情報が入ってきます。一方、供� �側も協力工場や部材では資材調達先と販売情報、在庫情報を共有していて、主要メーカーの生産予定をA社の端末にもってきて把握しています。出来ている情報は、店頭の販売計画、店での在庫計画、A社センターの在庫計画、資材協力先の生産計画や資材調達計画で、同期化しています。
■アパレルは季節商品ですから、春物であれば8ケ月前から企画をはじめ型をつくり、サンプルをつくって協力工場の生産ラインを確保し店頭への展開計画を立てます。そして、最初の店頭のマーチャンダイジング計画を立て、200 店のウイークリーの販売計画をつくり、資材調達や工場の手配をします。店での売れ行きの状況が時々わかってきますから、黒が売れ筋だとわかれば、黒を中心に棚陳列の指示をしていきます。売れない商品やそろそろ終売時期になると本部から販売指示をかけて陳列やセールスの仕方を変えます。
■ディストリビューターは、店頭の品揃えや陳列についてはデーターウェアハウスを使って、きめ細かく特性を分析します。今何が売れ筋か、その特性は、価格は、どういう年代に売れているか、等をきめ細かく把握し、別の店舗にも同じ陳列をして実際に売れるかどうかを確かめています。メリットは、店頭補充が短くできること、契約工場の24時間操業のラインを完全に確保しその中で何をつくるかをA社から指示し、タイムリーにものが入る仕組みです。 結果的にシーズン中の生産比率が9割程度になり、売れ残りをなくしています。同時に、シーズン終了後の特売比率も少なくなり、利益を支える源泉になっています。自分で企画したものを自社店舗で売り、売り方も利益の動向をみて自分で采配を奮って売っていきます。販売員も社員で、供給側のメーカーも自由に使えるラインを確保する。こういうメーカーであり小売でもあるというビジネスが急成長しているのです。
(以下、季刊イズミヤ総研第41号を参照下さい。)
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